あなたの鼓動に導かれて
ニックは身を乗り出す。「おっと」と彼は言う、得意げな声で。「あれは誰だ?」
ハリーはただ携帯電話を見つめる。「えっと」と彼はなんとかどもるように言う。
「あれは誰なんだ、ハリー?」ニックはもう一度尋ねるが、今度は眉を上げてにやりとする。ハリーはニックがただからかっているだけで、本当に新しいハリー・スタイルズのゴシップを探しているわけではないことを知っているが、えっと。彼は何かを見つけてしまったかもしれない。偶然に。
ハリーは口を開いて話そうとするが、出てくるのはまた「えっと」だけだ。彼は本当に自分の考えを言葉にする練習をしなければならない。しかし、それは今になっては助けにならないだろう。彼の頭は、新しく消されたエッチ・ア・スケッチのように真っ白だ。
「おっと」とニックはもう一度言う、今度は嬉しそうに、ハリーの苦悩を察したようだ。「どうやら話ができたようだね!電話をかけるか、番号を削除するかどっちだ?」
彼女の番号。つまりニックは女の子だと思っているわけだ。まあ、ハリーも彼を責められない: 「ルー」というのはかなり中性的なニックネームだ。彼のスタイリストの名前はルーだ。
しかしこのルー、つまりルイは、まあ、本当に、本当に女の子じゃない。でも本当に綺麗で、それはまあ、何かだ。
(もしくは:AU、ハリーはワン・ダイレクションにいて、ルイはいない、そして彼らは「電話をかけるか、削除するか」というゲームで再会する。)