火花が散る
「兄貴が結婚するんだ」とジョージは平坦に言う。
アレックスは驚いて瞬きをする。「双子の兄貴?」
ジョージは顔をしかめる。「違う。まさか。フィリップだ」
「退屈な方?」
「彼を説明するのに使う言葉じゃないな」とジョージは陰気そうに言う。「でも、そうだ。そして僕は『丁重に招待された』――つまり召喚された――わけだ。婚約のお祝いに参加するために池の向こう側へ」
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もしくは;
ヘンリーにはジョージという双子の兄弟がいる(ああ、誰のことか分かるよね)。ジョージは2年前にロンドンを捨ててニューヨークへ行き、そこで僕たちが大好きな、めちゃくちゃなバイセクシャルの災難、アレックス・クレアモント=ディアスと友達になった。今、フィリップが婚約して、ジョージはそのお祝いに参加しなければならない。唯一の良い点は、プラスワンを連れて行ってもいいことだ。アレックスが登場し、偽りの交際を始め、そしてアレックスを驚かせる金髪の美しい双子が現れる。
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第9章:イラスト by @catliesel 第10章(近日公開):1年後