国民のケア方法;火の国の王子ズコによる(偶然の)回想録
バランスを取り戻そうと必死にもがいているうちに、チェンは腕を激しく振り回していた。しかし、そのもがきは壁に沿って並んでいる松明の1つに腕をぶつける結果になった。腕が松明に当たった衝撃で、松明はホルダーから落下する。チェンは床から恐怖に慄きながら、松明が落ちていく様子を見ていると、なんと、落下途中で炎が火の君主ソジンを描いた肖像画に触れたのだ。そして、肖像画は燃え始めた。チェンは、肖像画がゆっくりと炎に包まれていく様子をスローモーションで見ているように感じた。火の君主ソジンの肖像画が燃えている!なんてこった。
チェンは気を失いそうだ。
あるいは、火の君主ズコが親切にして皆が驚いた時、そして皆がそれを期待した時。