俺を吊るすのに十分な長さの、くそったれなロープを投げろ
ショウタの計画は当初から曖昧で、必死なものだったが、彼が重要だと考えたのは「できるだけ現状を変えずに、緑谷が死ぬのを防ぎ、ライチゼリーのパウチを買いだめする(あれは3年後廃盤になるから)」だった。シンプルイズベスト、彼は普段から臨機応変にこなすのが得意だ。
どこかで彼はしくじったに違いない。なぜなら今はこうなってしまっているからだ。
個性のない問題児が彼の言葉にすがって離れない
その問題児の母親のおかげで、親友が性的アイデンティティの危機に陥っている
もう一人の親友が彼にしがみついて離れない
どっかのチンピラボスが彼をヒヤカスの花束で脅してくる
役に立つ情報を何も教えてくれなかったナンバーワンヒーローの首を絞めたくてたまらない(何十年も過去に送られたから)
彼がしたことは、緑谷出久を家に送ることだけだった。こんな大騒動になるとは思わなかった。