選ばれぬ王冠
「一つだけ約束して?」ヘンリーは喉の結び目の周りを踊りながら、震える声で沈黙を破った。
「何でもいい」とアレックスは同じようにささやきながら答えた。彼の言葉は、そよ風のように優しくヘンリーの唇に伝わった。
「私のことを忘れないって約束して?」ヘンリーの嘆願は、弱さ、不安感、そして恐怖が彼の存在の隅々まで響き渡ることで燃え上がった。
「やってみたとしてもだめだ」とアレックスは口を閉じて非接触でキスをした。文字や言葉を超越した誠実さの証だ。
ヘンリーは終わってなかった。彼はアレックスの視線を強烈に捉え、ふたりの間に立ちはだかる壁を越えた。
「僕らが時代のフロレンティーノとフェルミナになれるって約束する?どんなに時が経ってもまだ私を愛してくれるって?」
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ヘンリーは未来のイングランド王であり、予想外の、しかし壊滅的なラブストーリーを生きるためには、君主制と激しく戦わなければなりません。